発熱|海老名こじろう耳鼻咽喉科|海老名駅近くの耳鼻科

子どもの病気

発熱

発熱

“発熱“とは、平常時よりも高い熱が出ている状態を意味していますが、感染症法の中で37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱と定義しています。
※体温には個人差があるので、平熱が低い場合37.4℃以下でも発熱と考える場合もあります。

発熱で考えられる主な原因は、ウイルスや細菌による感染症、いわゆる“風邪”であり、発熱することで免疫を活性化して、病原体の増殖を防ぎます。
そのため、発熱は生体防御機能として“正常な反応”と捉えられており、一般的には3~4日経てば、自然に熱は下がっていきます。

ただし、いつもと様子が違う、元気でも発熱が3日以上続いている方は、風邪以外の原因である可能性があるため、早めに当院までご相談ください。
当院では赤ちゃん(0歳)から診察しております。

「発熱」で考えられる原因は?

子どもは感染症にかかりやすい上、大人よりも体温調整が未熟なため、昔から「子どもはよく熱を出すもの」と言われる程、子どもに多い症状です。
しかし、原因によっては、生命を脅かす危険がある病気の可能性もあるため、なかなか侮れない症状でもあるのです。当院では、必要に応じて、対応病院をご紹介します。

感染症

発熱が起こる原因で一番多いのが、「ウイルスや細菌による感染症」です。
発熱することで、体内へ侵入してきた病原体を排除しようと免疫が活性化し、ウイルスなどの増殖を抑えます。

  • かぜ症候群(風邪)
    発熱以外に鼻水・くしゃみ・のどの痛み、頭痛、腹痛などが現れる。全体的に軽い症状で、一般的に治療せずとも1週間程度で自然に治ることが多い。
  • RSウイルス感染症
    風邪と似た症状(発熱・鼻水・咳など)が現れ、2歳までにほとんどの子どもが感染する。ただし、生後6か月未満の感染は高熱や肺炎を合併するなど重症化しやすい。
  • インフルエンザ
    高熱(40℃以上出ることもある)と筋肉や関節の痛みが急に現れる。一般的な風邪症状よりも重い。
  • 突発性発疹(とっぱつせいほっしん)
    感染者の99%は1歳未満。咳や鼻水は出ないで高熱だけ2~3日続き、解熱後、全身に赤い発疹が現れる。※不顕性(ふけんせい)感染で、症状が出ない場合もある。
  • 溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)
    溶連菌がのどに感染することにより、高熱やのどに強い痛みが現れる。扁桃炎や咽頭炎を引き起こしたり、発疹やイチゴ舌(舌がブツブツする)が現れたりすることもある。
  • 扁桃炎(へんとうえん)
    扁桃(舌の付け根あたり)が赤く腫れ、高熱やのどの痛みが強く出る。原因が溶連菌の場合、腎炎や心臓弁膜症などの原因となるリウマチ熱を引き起こすことがある。
  • 尿路感染症
    膀胱(ぼうこう)炎では微熱程度だが、細菌感染が腎臓まで進行した“腎盂腎炎(じんうじんえん)”では高熱となり、さらに熱が上がったり下がったりする特徴を持つ。
    ※他院をご紹介します
  • 肺炎
    命にかかわる危険のある感染症で高熱以外に、胸の痛み、強い咳・痰が見られる。
    ※他院をご紹介します
  • 急性中耳炎
    鼻風邪に続いて起こることが多い。急な発熱以外に耳痛や耳だれが見られ、乳幼児の場合、耳を触る、ぐずるなどして不快症状を表現する。適切な治療が必要。

感染症以外の原因

  • 自己免疫疾患(膠原病:こうげんびょう)
    免疫が自分自身を攻撃することで炎症が起こる病気。関節が変形する“関節リウマチ”や内臓の病気と全身症状が同時に起こる“SLE(全身性エリテマトーデス)”が有名。
    ※他院をご紹介します
  • ホルモン異常(内分泌異常)
    甲状腺に炎症が起こる“亜急性甲状腺炎“では、甲状腺の痛みと発熱が現れる。
    ※他院をご紹介します
  • 悪性腫瘍
    “がん“そのものによって発熱する(腫瘍熱)こともあるため、がん治療中の場合には、自己判断せず、主治医への相談が必要。
    ※他院をご紹介します
  • 血栓・塞栓症
    “エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)”では、足のむくみ・皮膚のうっ血と共に発熱が見られる。女性や65歳以上の高齢者に多い。
    ※他院をご紹介します
  • 薬剤の副作用による発熱(薬剤熱)
    薬剤熱を起こしやすい薬は、抗菌薬(抗生物質)、抗てんかん薬、循環器薬、H2ブロッカー、NSAIDs、サリチル酸で、原因の薬剤を中止すれば約3~4日で速やかに解熱する。

ただし、中には発熱の原因が分からない場合(不明熱)もあります。

「発熱」症状がある時に行う検査

発熱がある場合、医師は自覚症状や問診などから疑われる原因(病気)を予測し、診察結果に合わせて、検査を行います。

なお、急性の発熱があっても、全身がだるいなどの漠然とした全身症状以外に異常所見がみられない方の場合には、自然に治る“ウイルス感染症(風邪)”が原因と考え、一般的に特別な検査は行いません。

問診・視診・触診

他の症状の有無、発症時期、病歴などについて、お伺いします。
同時に、発熱の原因に重篤な疾患や慢性疾患がないか、視診・触診で丁寧に観察します。

血液検査

熱が出たときは、体内で炎症が起こっていることが多いため、血液検査により炎症反応をみる白血球数やCRP値などを測定します。

細菌培養検査

綿棒で舌をこすって、細菌やウイルスに感染していないかを調べます。
検査結果が出るまで1週間程度かかりますが、適切な治療薬を選択するために有効です。

尿検査

薬の副作用や原因となっている病気について、調べることが可能です。
関節リウマチが続くと腎臓機能が低下することがあり、尿検査と一緒に、血液検査やX線検査(レントゲン)を組み合わせて検査します。
※他院をご紹介します

そのほか、必要に応じて、胸部X線検査(レントゲン)、CT検査、腹部超音波検査を行います。
※他院をご紹介します

また、特定の病気を媒介する動物・昆虫に接触した方(マダニに咬まれた人など)や、マラリアなど特定の病気が流行している地域から帰国したばかりで発熱がある方には、特別な検査を行う必要があります。
※必要な場合には、すぐに対応している病院をご紹介します。

「発熱」症状がある時の治療法

発熱時における治療の基本的な考え方は、「原因を判明させて原因に合った治療を行う」ことです。

薬物療法

  • 感染症……細菌感染の場合には、抗菌薬(抗生物質)
  • 悪性腫瘍……(がんそのものが原因であれば)抗がん剤 ※他院をご紹介します
  • 血栓症……抗凝固療薬(血栓を溶かす) ※他院をご紹介します
  • 関節リウマチ……抗リウマチ薬、消炎鎮痛薬(NSAIDs)、ステロイド剤、生物学的製剤など ※他院をご紹介します
  • 亜急性甲状腺炎……症状に合わせて、副腎皮質ホルモンか非ステロイド性抗炎症薬 ※他院をご紹介します

薬の変更や中止


薬の副作用が原因であることが明らかな場合には、感染症による発熱ではないことを確認した上で、主治医と相談して、中止など薬の見直しを行います。

よくあるご質問

1)発熱している時に気を付けたいことは?


発熱時に一番気を付けたいことは「脱水症状」です。
食事は数日摂らなくても心配ありませんが、「水分と適度の塩分」は取らなければいけません。
発熱・嘔吐・下痢のどれか一つでもある場合、お子さんや高齢者など体力のない方は、適切な水分摂取を行わないと、1~2日で“脱水症状”を起こしてしまいます。

少しずつでよいので、こまめに経口補水液(OS-1)やスポーツドリンクのような電解質(ナトリウム・カリウム)および糖質の含んだ飲み物を摂るようにしましょう。
経口補水液などは、液体だけでなく、ゼリー状のものも販売されています。

2)急な発熱ですぐに病院に行った方が良い場合は、どんなケースですか?


次のような症状がみられる場合には、夜間・救急外来を含めて、できるだけ早めに医療機関を受診してください。

・意識がはっきりしていなく、ぐったりしている(ぼーっとする・名前が言えないなど)
・いつもよりも明らかに血圧が下がっている
・呼吸が速く、苦しい
・“激痛”を感じる部位がある
・数時間で急に立ち上がれなくなった
・寒気を感じ、我慢のできない震え(歯がカチカチ鳴る、布団に入っても止まらない震え)がある
・数日間水分がとれていない(涙が出ない・唇がカサカサ・ぼんやりして眠りがちなど)
・おしっこがでない、量が少ない
・抗がん剤や免疫抑制剤(ステロイドなど)を使用している

3)高熱になると、脳に影響が出たり、けいれんしたりしますか?


高熱で頭がおかしくなったり、髄膜炎や脳炎などになったりすることはありません。
一般的に「ヒトは41℃未満であれば、熱そのもので体に害は起こらない」と報告されています。
特に感染症による発熱で、41℃を超えるようなことは、ほとんどありません。

また、小さなお子さん(生後6か月~5歳くらい)の場合には、発熱時にけいれんを起こす(熱性けいれん)こともあります。しかし、けいれんの発生と熱の高さは関係ありません。
熱性けいれんは、急激に熱が上がるときに起こりやすく、5分以内に自然に止まることがほとんどです。熱が上がり切ったら、起こりません。解熱剤を用いて一時的に熱を下げた場合でも、再び熱が上がったら起こり得ます。

トピックス:解熱剤で熱を下げることは良くないこと?

医師によって見解が分かれるところですが、解熱剤で熱を下げることは、一概に「良くない」とは言いきれません。

解熱剤は、高熱でつらそうな時に「一時的に熱を下げる目的」で使用するものです。
つらさから少し解放してあげることで、その間に水分や食事を摂ったり眠れたり、体力を回復させることができます。
特にお子さんが発熱した場合、看病する親御さんも精神的・肉体的負担は大きいですよね。

とはいえ、病気自体を治す薬ではないので、水分が取れるくらい元気があれば、必ずしも解熱剤を使用する必要はないでしょう。

解熱剤以外にも言えることですが、薬は正しく使用すれば、怖いものではありません。
お子さんの場合には、カロナール・アンヒバなどのアセトアミノフェン成分の解熱剤であれば、頓服薬(1日何回と決めず、

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