かぜ|海老名こじろう耳鼻咽喉科|海老名駅近くの耳鼻科

子どもの病気

かぜ

かぜ

「風邪」は一つの病名ではなく、正式には「かぜ症候群」と呼ばれます。
赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層で発症し、年に1回はかかる人も多い身近な疾患です。

風邪は、主にウイルスが鼻や喉などの呼吸器に感染することで発症するため、「急性上気道炎(きゅうせいじょうきどうえん)」と呼ばれる時もあります。

風邪の主症状は鼻水・くしゃみ・喉の痛みなどで、咳や発熱、胃腸症状など全身に症状が及ぶこともありますが、全体的に軽く済むことが多く、1週間程度で自然に治ってしまうことも多い病気です。

数日経っても症状が良くならない場合や症状を繰り返す場合には、お早めに当院までご相談ください。

「風邪なのに耳鼻科?」と思う方もいるかもしれません。
耳鼻咽喉科では鼻水や痰などの分泌物を吸引し、患部に直接薬剤を届ける処置を行えるので、内服薬と併用すると、症状の早期軽減・早期治癒が期待できます。
また、必要に応じて、風邪と似た病気を見逃さないよう内視鏡カメラなどで、鼻からのどまでしっかり確認をしています。

風邪の症状について

風邪は、自然に寛解するウイルス感染症として“感冒(かんぼう)”と表現されることがありまます。

ウイルスは主に上気道(鼻~口・喉の奥まで)に感染し、1日~3日後には喉の痛み・いがらっぽさ・鼻の不快感が出始め、次第に鼻水・くしゃみ・頭痛・だるさが現れ、体調不良を自覚します。

引きはじめの鼻水は、透明で水っぽく、比較的量が多いのですが、やがて粘液状となり、色も黄緑色に濁って、出る量が減っていきます。

ほかにも、鼻づまり、咳(せき)や痰(たん)が出る、発熱、寒気、胃腸症状(腹痛、下痢、嘔吐など)、食欲不振などの全身症状も現れる場合があります。

また、一般的な風邪症状の場合、体力のある健常な方であれば、特別な治療をしなくても、通常1週間前後で自然治癒します。

「風邪を引く」原因は?

ウイルスや細菌が鼻・口の粘膜に付着し、感染することで、ヒトは風邪を引きます。
また、風邪の原因のほとんどはウイルスですが、マイコプラズマやクラミジアなどの細菌が原因となる場合もあります。

風邪の原因となるウイルスは200種類以上あり、中でも「ライノウイルス」は100以上の亜型を持つため、最も発症頻度が高く、風邪の約30~50%を占めていると報告されています。
ほかにも、風邪の原因となることが多いのは、コロナウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどで、複数のウイルスを同時に感染している場合もあります。

ウイルスの種類によっては、潜伏期間や現れる症状(鼻症状が強いもの・高熱を伴うものなど)に違いがある場合もありますが、基本的には症状からはどのウイルスなのかは明確には判断できません。

風邪の検査・診断について

一般的に「ウイルス性の風邪」と考えられる時は、医師による問診や視診から診断します。

問診・視診

症状やその程度、発症時期など自覚症状について、詳しくお伺いします。
また、鼻や喉の炎症の有無、呼吸の状態、発熱などについても丁寧に観察します。

ただし、患者さんの症状や季節、周囲の流行状況から、インフルエンザなど他の感染症が疑われる場合には、鑑別のために簡易キットなどを使って検査を行います。
また、患者さんの容態・重症度・年齢などから、風邪以外の病気の可能性がある場合も必要に応じて検査を行います。

風邪の治療について

風邪には特効薬は存在しません。
そのため、風邪の治療法としては、出ている不快症状を抑え、和らげる“対症療法“となり、「内服薬による治療」と鼻や喉に直接処置する「局所療法」を行います。

内服薬による治療

免疫がウイルスと戦っている結果として、不快症状は起こりますが、ときに体へのダメージが大きすぎて(症状が強すぎて)しまい、ウイルスと戦う免疫の力が弱くなることがあります。

不快症状を抑え、体力の消耗を防ぐことで免疫をあげ、身体の免疫がしっかりウイルスと戦えるように、必要に応じて次のような薬を処方します。

  • 抗ヒスタミン剤……くしゃみや鼻水を和らげる。
  • 解熱鎮痛薬……高熱を下げたり、頭痛・筋肉や関節などの痛みを和らげたりする。
  • トラネキサム酸……喉の炎症を和らげる。

風邪の原因はウイルスであることがほとんどなので、抗菌薬(抗生物質)は効きません。
しかし、風邪の原因が「細菌」である可能性がある場合、不快症状が続くことで細菌による二次感染(副鼻腔炎や中耳炎など)の恐れがある場合などには、抗菌薬(抗生物質)を処方することもあります。

局所療法

  • 鼻吸引……ウイルスや細菌が含まれている鼻水を吸引して、鼻症状の悪化を抑え、改善させることが可能な処置。
  • ネブライザー……霧状になった薬液を鼻または口から吸い込んで、患部に薬剤を直接届け、鼻や喉の炎症を和らげることが可能な処置。

よくあるご質問

1)風邪とインフルエンザとの違いは、何ですか?

風邪は、発症すると鼻水・くしゃみ・喉の痛みなど呼吸器の症状が、徐々に現れます。発熱しても37℃~38℃くらいまでで、全体的に症状が軽く済むことがほとんどです。

一方、インフルエンザは「インフルエンザウイルス」に感染することによって発症します。
インフルエンザの場合、「急な発症と強い倦怠感(だるさ)」が起こります。
朝元気で学校・仕事に行ったとしても、お昼ごろになって急に38℃以上の高熱や頭痛・関節痛・筋肉痛が現れ、全身がだるくなることもよくあります。

全身に激しい症状が出ることが多く、小さなお子さんや高齢者、基礎疾患(ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患、糖尿病、心疾患)をお持ちの方などは重症化しやすいため、注意が必要です。

2)風邪でも受診したほうが良い時は、どんな時ですか?

風邪の場合の受診目安は、「いつもの風邪とは、症状が違うと感じる時」です。
お子さんの場合、親御さんからみて「いつもと違う」と感じる時は、遠慮なく気になる点を医師にお話しください。

特に1週間以上症状が続いたり、軽快していかず悪化していると感じたりする場合や39℃を超えるような急な発熱がある場合には、風邪と似ている違う病気の可能性もあるため、早めに診察を受けることをおすすめします。

また、3か月未満の赤ちゃんや高齢者、基礎疾患を持っている方の場合にも、風邪をきっかけに別の感染症*1を合併する可能性もあるので、ご来院いただいた方が安心です。
*1風邪に合併する病気:食事が取れない程の喉の痛みと高熱が出る「扁桃炎」や咳・高熱・呼吸困難を起こし、最悪の場合には死に至ることもある「肺炎」など。

一般的な風邪症状で、水分と栄養がしっかり取れていれば、自然に軽快していきますので、急いで受診せずとも、診療時間内にいらしていただければ大丈夫です。

3)風邪を引いてしまったら、どう過ごせばよいでしょう?


風邪による鼻水・くしゃみ・頭痛などの不快症状は、免疫がウイルスと戦っている結果として引き起こされています。敵(ウイルス)による攻撃(炎症)が強くなると、不快症状も強くなるので、それだけ体力を消耗し、戦える免疫の力も弱まります。

できるだけ免疫が万全な状態で風邪のウイルスと戦えるように、次のようなポイントを踏まえて、過ごすことをおすすめします。

  1. しっかり睡眠を取る
    日本睡眠学会によれば、ウイルスなどに感染した後の睡眠は、生体防御および免疫増強のために必要な睡眠と報告されている。
  2. 安静に過ごす
    ゆっくり過ごすことで体力消費を防ぐ。
  3. 栄養を摂る
    おかゆ・うどんなどの消化に良いものや野菜スープなど、ビタミン・ミネラル・良質なタンパク質を摂るように心がける。

体力の消耗を補うような過ごし方をすることで、風邪の症状を早く改善できる可能性があります。

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