外耳炎|海老名こじろう耳鼻咽喉科|海老名駅近くの耳鼻科

耳の病気

外耳炎

外耳炎

「外耳炎(外耳道炎)」は、耳の穴から鼓膜の手前までの“外耳道”をいじりすぎて、細菌感染・炎症を起こすことで発症する急性感染症です。

毎日耳掃除をしたり、よく耳を触ったりする癖がある方やアレルギー体質の方、若い女性に多く、さらに泳ぐときに耳栓をする方にも発症しやすいため、“スイマーズイヤー”とも呼ばれます。

主な症状は耳のかゆみ・耳の痛み・耳だれですが、炎症が悪化して外耳道が腫れると、難聴(耳が聞こえづらくなる)や閉そく感(耳が詰まった感じ)を伴います。
外耳炎は炎症が軽ければ、自然に治ることもありますが、糖尿病などの持病がある場合や高齢者は重篤な合併症を伴う場合もあるので、注意が必要です。

数日経っても症状が良くならない場合、症状を繰り返す場合には、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

外耳炎の症状について

外耳炎の主な症状は、次の通りです。

① 耳のかゆみ
・発症初期に多く、かけばかくほど炎症は悪化し、悪化すればかゆみが増す悪循環に陥る。
・アレルギー体質の人は、シャンプーなどの刺激が原因となって、強いかゆみを感じる「外耳道湿疹」を合併している可能性もある。
② 耳の痛み
・耳を引っ張ったり、耳の入り口を押したりすると痛みがある。
・炎症がひどくなると、耳の下や後ろも痛くなる。
③ 発熱・震え
お子さんの場合に見られることがある。また、細菌感染によって化膿し、外耳道の腫れが強くなると、次のような症状も見られることがあります。

④ 耳だれ
白または黄色の膿(分泌物)で、不快なにおいがする。
⑤ 難聴(聞こえづらくなる)
外耳道が強く腫れたり、膿や分泌物のかすによって詰まったりすると起こる。
⑥ 耳鳴り
キーンと耳鳴りがする場合がある。
⑦ 耳の閉そく感
耳が詰まった感じになることもある。

外耳炎の原因は?


外耳道の皮膚は薄くて傷つきやすく、外耳炎の原因のほとんどは外耳道にできた傷口からの細菌感染によるものです。

(画像)メディカルイラスト図鑑|耳の構造図

外耳炎の原因菌は、緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの細菌がほとんどですが、まれに真菌(カビ類の菌)が原因となって、難治性の外耳炎である「外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)」となる場合もあります。

気持ち良いからといって、毎日お風呂上りに綿棒で耳掃除をしたり、必要以上に指の爪で耳の中をかいたりする行為は外耳道を傷つけやすく、外耳炎の発症リスクを高めるので控えましょう。
また、補聴器を使用されている方も、補聴器を清潔に管理していない場合には外耳炎を発症しやすくなりますので、注意が必要です。

外耳炎の検査・診断について

外耳炎は、医師による問診・視診によって診断します。

外耳炎の検査

① 問診・視診
自覚症状を詳しくお伺いします。
症状から診断がつく場合も多いのですが、他の病気(中耳炎など)との鑑別のためにも、耳鏡(外耳道と鼓膜を観察するための器具)や内視鏡カメラを使って、外耳道の状態を確認します。
※乳幼児など外耳道が狭い患者さんの場合には、内視鏡カメラや耳鏡を使用します。

② 細菌培養検査
耳だれがある場合に行います。原因菌が細菌か真菌かによって、治療法が異なります。

外耳炎の診断

耳鏡または内視鏡カメラで観察した時、外耳道が赤く腫れていたり、膿や分泌物のかすが付いていたりする状態が見られた場合に診断します。
真菌の感染による外耳炎の場合は、診察と培養検査の結果によって診断します。

外耳炎の治療について

外耳炎の治療で一番重要なことは、薬を塗るとき以外“耳を触らない”ことです。

膿・分泌物などの清掃や消毒

脱脂綿や吸引器を使って、外耳道をきれいにするだけでも、聞こえづらさが正常に戻ることがあります。

薬物療法

軽症~中等度の場合には、酢酸や抗菌剤の点耳薬、ステロイド軟膏を患部に塗るだけで、症状が改善していきます。

炎症範囲が広い場合や外耳道湿疹を合併している場合には、抗菌剤や抗アレルギー薬の内服が必要となります。
また、耳に強い痛みがある場合には、鎮痛剤の内服薬も処方します。

よくあるご質問

1) 外耳炎を予防するには、どうすればよいでしょう?

① 頻繁に耳掃除をしない
② お風呂やプールなどの水をあまり耳の中に入れない

耳掃除とは気持ちの良いものですが、正しい耳掃除の頻度は“月1回・片耳2分“程度で十分です。
本来、耳あかには、殺菌効果や外耳道を保護する役割があるので、頻回の耳掃除は自浄作用が崩れ、外耳炎になりやすくなります。
さらに、耳あかは耳の入り口から1cmぐらいのところに溜まるので、見える範囲を綿棒で優しく取るだけで良いのです。

ただし、耳掃除を全くしないのも問題です。
お風呂やプールにも細菌は潜んでいるので、水が入って耳あかがふやけることも細菌感染しやすくなる要因となります。

2)外耳炎は自然に治りますか?また、再発することもありますか?

外耳炎の症状が軽い場合で、その後耳をいじらず、耳の中を乾燥状態に保てた場合には、自然に治ることもあります。

しかし、外耳炎はかゆくなったり、痛くなったりするので、ついつい耳の中を触ってしまい、症状をぶり返すケースがとても多い病気です。
悪化すれば、強い耳の痛みや聞こえづらさ(難聴)、頭痛が現れるなど、生活の質(QOL)が低下します。

また、治療中も同様に耳の中をいじると、治りが長引きます。
できるだけ耳の中はいじらないように意識して、リラックスして過ごすことが大切です。

3)子どもが最近よく耳を触ります。病院を受診した方が良いでしょうか?

耳に髪の毛が当たっていると、チクチクと気になってしまうこともあります。
まずは、耳周りに髪の毛が当たらないよう、カットしたり結んでみたり、すっきりさせてみて下さい。

その上で、「お子さんが風邪を引いていない」「耳を引っ張ると痛みを感じる場合」には、外耳炎の可能性があります。
また、綿棒で耳掃除をしたとき、綿棒に色がついたり、くさい臭いがしたりする場合にも、外耳炎の可能性がありますので、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

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