のどの異常感|海老名こじろう耳鼻咽喉科|海老名駅近くの耳鼻科

のどの病気

のどの異常感

のどの異常感

風邪を引いたわけでもないのに、のどの「イガイガ感」「ヒリヒリ感」が気になることはありませんか?
また、のどの奥に「何かが詰まったような感じがする」「ひっかかりがある」などの異常感が続いていませんか?
このように、「何となくすっきりしない」のどの異常感を訴えて耳鼻咽喉科を受診する方は少なくありません。

使い過ぎや空気の乾燥で起こる一時的なのどの異常感は誰にでも起こることがあり、特に心配はありませんが、症状が長く続く時や何度も症状を繰り返すような時には、何らかの病気のサインかもしれませんので、受診して詳しい検査を行うことをおすすめします。

のどの異常感の原因は、「炎症」「腫瘍」「その他(消化器病、メンタルなど)」の大きく3つに分けられます。症状の改善には、正しい原因を突き止め、それぞれの病気に適した治療を行うことが重要です。

症状が軽いと「そのうち治るかな?」と思って様子を見てしまいがちですが、思わぬ病気が隠れている可能性もあるため、異常感が気になる時は、当院にご相談ください。

のどの異常感の原因とおもな病気

のどの異常感には、大きく分けると3つの原因があります。

1)炎症が原因:イガイガ感、ヒリヒリ感、飲み込む時に痛いなどの症状

おもに鼻やのどの炎症が原因で起こります。

・咽頭炎(いんとうえん)
のどの後ろ側にあり、鼻から食道に続く「咽頭(いんとう)」に起きる炎症です。発症すると、のどの腫れや痛み、異常感などが起こります。咽頭は、鼻や口を通して外と直接通じている部分であるため、ウイルスや細菌感染による発症が多く、急性の場合は発熱を伴う場合もあります。症状が長引き、炎症が慢性化してしまうと、いつまでものどの異常感が残ることもあります。

・喉頭炎(こうとうえん)
のどの前側で「のどぼとけ」の辺りにある「喉頭(こうとう)」に起きる炎症です。発症すると、咳や発熱などの症状とともに、声がれ、のどの異常感などが起こります。ウイルスや細菌に感染して発症するケースが多いですが、喫煙やアレルギーなどで発症する場合もあります。喉頭は空気の通り道であるため、慢性化すると呼吸が苦しくなる場合もあります。

・扁桃炎(へんとうえん)
のどの奥にあるリンパ組織「扁桃(へんとう)」に起きる炎症です。ウイルスや「溶結性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)」という細菌が原因で発症する場合が多く、左右両側にある扁桃が赤く腫れて痛み、扁桃の周りに白い膿が付く場合もあります。特にものを飲み込む時の嚥下痛(えんげつう)が強いのが特徴で、高熱を伴うこともあります。

・気管支炎(きかんしえん)
ウイルスや細菌感染により、空気の通り道である気管や気管支に炎症が起きる病気です。発症すると咳や痰(たん)、発熱、倦怠感、胸の痛み、のどの異常感などを伴います。炎症が治りきらず、慢性化してしまうと、咳が残ってしまう場合もあります。

・副鼻腔炎(ふくびくうえん)
鼻の周囲にある「副鼻腔」という空洞に炎症が起きる病気です。発症すると鼻づまりや粘りのある黄色い鼻水が出るようになり、頭痛、顔面痛、咳、のどの異常感などを伴います。風邪から発症するケースが多いですが、アレルギーや歯の炎症が原因で発症する場合もあり、炎症が長引くと慢性化してしまうこともあります。

・アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜に入りこんだ異物を排除する「アレルギー反応」が過剰に起こり、鼻腔(びくう:鼻の中)内の炎症が続く病気です。花粉やハウスダストなどの特定の物質(アレルゲン)が引き金になり、鼻水や鼻づまり、くしゃみが出るほか、耳の奥のかゆみ、のどの痛み、イガイガ感を伴います。

2)腫瘍が原因:声がれ、異物感、声が出しにくいなどの症状

おもにのどの「できもの(ポリープ、悪性腫瘍)」が原因で起こります。

・声帯ポリープ
風邪や声の出し過ぎなどが原因で、喉頭にある「声帯(せいたい)」に小さなできもの(ポリープ)ができる病気です。声を出す声帯が上手く閉じなくなり、振動が邪魔されてしまうため、声がれや声を出しにくくなるのが特徴で、初期症状として、のどの詰まりやイガイガ感などの異常感が現れます。

・咽頭がん(いんとうがん)
喫煙や過度の飲酒が原因で咽頭にできる悪性腫瘍(がん)です。部位により「上咽頭がん」「中咽頭がん」「下咽頭がん」の3つの種類があり、それぞれ症状には特徴がありますが、初期の段階では、のどの軽い痛みや飲み込んだ時の異物感などが現れます。

・喉頭がん(こうとうがん)
喉頭にできる悪性腫瘍(がん)です。部位により「声門がん」「声門上部がん」「声門下部がん」の3つの種類があり、喫煙が原因で発症するケースが多いため、男性に多いのが特徴です。声門がんの場合、早期から声がれなどの症状が起こりますが、声門上部がんや声門下部がんの場合、はっきりとした症状がない場合や、風邪を引いた時のようなのどの異常感が続く場合が多いため、発見が遅くなるケースがあります。

(画像引用)国立がん研究センターがん情報サービス

3)その他(消化器病、メンタルなど)が原因:のどの詰まり、ひっかかりなどの症状

のど以外の病気が原因で起こるもので、耳鼻科領域以外の症状を伴います。

胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)
胃酸や胃の内容物が食道に逆流する病気です。胸やけや吞酸(どんさん:酸っぱいものがこみ上げる)などの消化器症状のほか、声がれ、咳、のどの詰まり、ヒリヒリ感のような異常感を伴うこともあります。胃薬を処方するほか、必要に応じて消化器内科をご紹介することもあります。

・咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)
特別な異常がないにもかかわらず、のどに引っかかりや何かが詰まっている不愉快な感覚が続く状態で、「ヒステリー球」とも呼ばれます。詳しい発症の原因やメカニズムは分かっていませんが、ストレスや悩み事など精神的な要因が関係して起こると考えられており、不安感や抑うつ感などを伴うこともあります。経過観察が基本となりますが、漢方薬を処方したり、必要に応じて精神科をご紹介したりすることもあります。

耳鼻咽喉科で行う「のどの異常感」を調べる検査・診断法

症状の改善には、のどの異常感がどこから来ているものなのかを突き止める必要があります。
当院では、診察で患者さんから自覚症状や発症時期、これまでの病歴などの詳しいお話を伺った上で、必要に応じて以下のような検査を行います。

視診、触診

口を開けていただき、のどの状態を確認します。また、首のまわりに腫れなどの異変が無いかを、医師が触って確かめます。患部の腫れや赤みなどの状態から病気を診断できる場合もあります。

経鼻内視鏡検査

鼻から内視鏡を挿入し、のどの奥(喉頭~食道付近)の状態を観察する検査です。検査時は局所麻酔を使用するため、痛みを抑えることが可能です。
先端に付いている小さなカメラで、炎症や腫瘍などの小さな病変も発見することができ、検査後すぐに保存した画像を患者さんご自身でご確認いただけるのもメリットです。
当院が導入している内視鏡システムは、NBI(Narrow Band Imaging::狭帯域光観察)を搭載しており、青と緑の特殊光を用いることで、より精度の高い検査が可能です。

※上記のような耳鼻科での検査の結果、鼻やのどに異常がなく、頸部に腫瘤がある場合は、他院でのCT・MRI検査をご案内する場合もあります。

のどの異常感を伴う病気の治療法

のどの異常感にはさまざまな要因があるため、治療法も原因となる病気によって異なります。
それぞれの病気の適切な治療を行うことで、のどの異常感も改善することが可能です。
治療は薬物療法が基本ですが、切除が必要な場合や薬物療法では改善しない場合には、外科手術を検討します。

薬物療法

異常感の原因である病気を治療するため、以下のような薬を処方します。

  • ・咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎→消炎薬、咳止め薬など
    ※細菌感染の疑いがある場合には抗生物質の投与も行います。
  • ・気管支炎→気管支拡張剤(気管支を広げる)、咳止め薬など
    ※細菌感染の疑いがある場合には抗生物質の投与も行います。
  • ・アレルギー性鼻炎→抗アレルギー薬、吸入ステロイド薬など
  • ・副鼻腔炎→去痰薬(痰をとる)、マクロライド系抗生物質(少量の薬を3~6か月程度使用するマクロライド療法)など
  • ・声帯ポリープ→消炎薬
  • ・胃食道逆流症→プロトンポンプ阻害薬(胃酸分泌を抑える)
  • ・咽喉頭異常感症→漢方薬(半夏厚朴湯、柴朴湯など)、抗不安薬(ストレスによる不安が強い場合)など

さらに、当院では、通院時にネブライザー治療(霧状にした薬を吸い込み、直接のどの炎症を和らげる)を行っており、内服薬などと併用して治療を行うことで、より効果的に症状を改善させることが可能です。

外科手術

  • 声帯ポリープ→サイズが大きい、もしくは薬物療法では効果が得られない場合、手術で切除する
  • がん→抗がん剤や放射線治療と組み合わせ、がんの摘出を行う
  • 扁桃炎→1年に何回も扁桃炎を繰り返し、生活に大きな支障がある場合、扁桃を摘出する手術を検討する

よくあるご質問

1)鼻水、鼻づまり、のどの違和感が続いていますが、受診した方がよいですか?


鼻の病気でのどに異常感が起こることはよくあります。
アレルギー性鼻炎で、たくさん鼻水が出るようになると、鼻水がのどに流れ込む「後鼻漏(こうびろう)」になり、むせて咳や痰が出るようになります。
また、副鼻腔炎の場合も、鼻づまりが悪化すると、溜まった鼻水がのどに落ちてイガイガするようになります。
鼻炎症状やそれに伴うのどの異常感が長く続くと、勉強や仕事の集中力が落ち、日常生活にも影響を及ぼすようになるため、受診して詳しい検査を受けられることをおすすめします。

2)最近、ストレスが多く、のどの詰まり感がありますが、咽喉頭異常症でしょうか?

咽喉頭異常感症(ヒステリー球)は、特別な病気などがないにもかかわらず、のどに何かが詰まったような違和感が続きます。唾を飲み込む時に違和感があるものの、食事は問題なく摂れるのが特徴です。

確かに寝不足やストレス、疲れなどで自律神経が乱れることで発症するケースが多いですが、のどの異常感を伴う病気は他にもたくさんあるため、まず炎症や腫瘍など他の原因が無いかをしっかり調べてから診断を行う必要があります。まずは一度検査にお越しください。

3)胃食道逆流症で咳や声がれが起きるのはなぜですか?

胃食道逆流症になると、酸性度の高い胃酸がのどまで上がってくるようになります。
繰り返し胃酸に触れているうちに、のど粘膜が炎症を起こし、焼け付くような痛みなどの不快な症状が起こるようになります。
胃食道逆流症は近年、増加している病気です。放置しているうちに食道の粘膜が変質して食道がんにつながるリスクも高くなるので、放置せずに適切な治療を受けるようにしましょう。

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